初恋みるく【完】

SS:初恋の奇跡 /心愛の送別会

**律side**



「高梨さん、本当に辞めるんですか?考え直しませんか?」


「うん、ごめんね〜。私いなくなっても頑張るんだよ?橋本くん」



今日は、心愛の送別会兼結婚祝いの飲み会が開催されていて、泣きそうな橋本を慰める心愛に、俺は少しイラついていた。



プロジェクトメンバーを外されそうになった橋本だか、心愛に謝罪し、無事当初のメンバーのまま、数ヶ月前にプロジェクトの成功を祝うことができた。




プロジェクトを遂行するなかで、素直に心愛を尊敬するようになり、今では完全に子分化している。




心愛が寿退社を発表した時には、わざわざ俺のところに来て、


「なんで高梨さん辞めさせるんですか!部長がそんな古い人間だと思いませんでした!」



なんて、随分と自分のことを棚に上げた発言をしてくれた。



まあ…橋本だけじゃない。
上司から部下までいろんな人に散々文句を言われた。



あんな優秀な社員を辞めさせるな


だとか、


社内のマドンナに手を出してたなんて狡いぞ!


とか…




…俺のせいじゃないのに。



心愛の人徳に誇らしい気持ちと、これだけ皆に愛される心愛が自分のためだけに仕事を辞める決断をしたという優越感と…



あと、俺が辞めるように言ったのだと皆が思っているのが不満だし、正直、心愛が抜けたあとの職場の穴がデカすぎるという憂鬱と…




様々な感情が入り混じっているけど、新しく借りた家には心愛がいて、幸せなことは間違いないから別にいい。




それにしても…




0
  • しおりをはさむ
  • 532
  • 793
/ 539ページ
このページを編集する