初恋みるく【完】



それだけか、って?




うふふ...キスの後ですもんね。



あんなに情熱的なキスした後ですものね?


















...なのに、それだけなんだよっ!!










「ほら、心愛...降りろ。」


「あ、はい!もうそんなところですか?」




先輩に声をかけられ、車窓を覗くと、会社から少し離れた喫茶店の前。



会社から近いとはいえ、二つほど通りを抜けた、人気のない場所のため、会社の人に見られることはまずない。



「あ、ありがとうございました!
今日も仕事頑張りましょうね!」


「おお。」



隣に置いていた荷物を肩にかけ、車の後部座席から、外の世界へと解き放たれる。



先輩は、私のことを助手席にはのせてはくれない。



理由は部下だから。って。



くそ、キスしたくせにさ。

私がその事で言い返せないのをいいことにそんな理由で後部座席に追い込む。



ふう、ずるい男だ。まったく。




外に出て、ぐぅっと伸びをしている間に、エンジンを噴かせて行ってしまったBMWを瞳の端に捉えて、口を尖らせる。




「ばーか、キスしろ意気地なし。」





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