大空との約束 ー過去ー【完】





「ヒメ、なんだか今日は機嫌が悪いですね?どうかなさいましたか?」


「…よく分かったね、」


「ん?車に乗ってきた時から気付いてたけど?…多分ヒメ、学校でも不機嫌オ-ラ出してたんじゃないか?」





クククッ、笑う彼から目を少し逸らして流れる景色を見つめる。




…確かに今日はあれから誰とも話をしていない気がする。



会長になんて言うか、そればかり考えていたから…






「今日、学園に会長が来たらしいんだよね」


「…それで?」




やはり彼もそのことは知らなかったようだ。ルームミラー越に彼の眉間に皺が寄っているのが見てとれる。





「凪と嵐を理事長室にわざわざ呼び出して、好き勝手言ってくれやがったらしい。…おまけに私を転校させるとか何とか、」


「…また随分と勝手なことを、」


「本当だよね、…お陰で凪がへこんでた、」






思い出すのは今日の昼休みの彼の姿…




ぎゅう、膝の上に置いてある両手を握り締める。



もう、いい加減腹を括るしかない。






「たかちゃん、」


「はい、どうしますか?」




力強い、安心する声…




この声が近くにあるだけで頑張れるような気がするの。




全く。彼に頼り過ぎなのは分かってるんだけどね…




それでも、彼から離れることなんて考えられないんだよね。






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