キスと嘘と甘い火遊び

婚約と嘘と甘い火遊び /完結記念

「失礼します」

「おお、啓介。来たか」

「親父が仕事中に俺を呼び出すなんてどういう風の吹き回しだ?」

「まあ今回は私的な用件でもないからな。葉山グループの社長としてお前に話がある」

「…………。」

「お前も明日で18か」

「何が言いたい」

「明日の誕生パーティーで婚約者の披露目会を同時に行う。いいな?」

「会ったこともない相手との婚約を明日発表?ふざけんなッ!!」

「会ったことはなくても2、3年前から話はしておいただろう。それに直接話したことはなくても見かけたことくらいあるはずだ」

「だからなんだよ!!……結婚相手くらい自分で決めさせてくれよ」

「私も5つのときには許婚がいた。葉山に生まれたものの定めだと思って諦めろ」

「定めとか何時代だっつーの。今時、政略結婚なんて笑えねぇ」

「………お前はその態度と話し方から改めさせる必要があるな。未成年の癖に随分と遊び歩いているそうじゃないか」

「こんな暮らしさせられてたら遊びたくもなるだろ。俺は婚約者なんて認めない。結婚しても他に女作って遊んでやるよ」


「ふ、勝手にしろ。上手い遊び方を覚えることもこの世界では必要になる」


「………腐ってんな」

「ただ、本気にはなるなよ。あと吉岡の令嬢が妊娠したらやめろ」

「冗談だっての。不倫なんて親父みたいなことするかよ」

「そうか。それはいい心がけだ」

「…、」



『レールと婚約と甘い火遊び』



「くっくっ」

「葉山さんどうしたの?」

「ん?いや、昔のこと思い出してさ。全く親父とりぃには敵わないよ」

「??」


血は争えなくても、幸せな男の話。



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