キスと嘘と甘い火遊び

部下と嘘と甘い火遊び /読者3,000人様感謝*記念

「専務、」

「…、」

「専務!」

「なんだよしつこいな」

「返事をなさらないのが悪いんでしょう!」

「で、用件はなんだ?今日の分の仕事なら終わらせたぞ」

「それですよ!どうして仕事を終わらせたんですか?あの仕事嫌いの専務が!夏休みの小学生みたいに仕事をギリギリまで残す専務が!」

「………失礼だなおい」

「どういう風の吹き回しですか?」

「だから朝言っただろ。社長継ぐことにしたって」

「うわ、幻聴じゃなかったんだ」

「おいこら」

「ととととりあえず社長に連絡しないと」

「まだしてなかったのかよ。仕事おせーな」

「(……専務にだけは言われたくない)」

「皺寄ってんぞー、ここ」

「…、」

「てかやっぱ俺が行こうかな。今まで好き勝手やってきたしけじめとして」

「本気、なんですね」

「だからそう言って、」

「応援します!!専務がお決めになったなら全力でサポートします!」

「あ、ああ、……どうも」

「社長のご予定を確認して来ます!確か本日は午前と午後に会議があったと思うので」

「頼む」

「では、」

「………高木」

「はい!」


「俺が好き勝手やったせいでお前にも面倒をかけた。悪かったな」


「専務……、」

「その若さで専務補佐になったお前が、名前だけの専務で給料泥棒だった俺の世話係だって陰口叩かれていたことは知っている」

「…、」

「でももう窮屈な思いはさせない。俺は必ず社長になる。そのときは高木、お前が社長補佐として支えてくれ」

「専務!……楽しみです」



『部下と嘘と甘い火遊び』



「高木、」

「…、」

「高木!」

「なんですかしつこいです」

「なんで返事しないんだよ」

「だって専務のお言葉に感動して誠心誠意お支えしたいと思った次の日ですよ!?一目惚れした美人に自分の気持ちをわかってもらえたから社長も悪くないかも〜って思って、しかも専務より社長の肩書きの方が口説くときに使えそうだから決心したって本気ですか!?」

「なんか悪意の混ざった言い方に変換されてるけど、まあ、そんなとこだな」

「やっぱり専務は専務なんですね」

「でも決めたからには会社のために人生捧げる覚悟だ。よろしくな、次期社長補佐」

「…………もう諦めます。専務について行きますよ」



りぃと葉山さんの馴れ初めの裏話。




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