キスと嘘と甘い火遊び

微熱と嘘と甘い火遊び /読者9,000人様感謝*記念

「大丈夫、じゃ、ないよな」

「大丈夫です」

「台所借りていい?」

「(…無視?)」

「余ってるご飯あったらお粥でも作るよ」

「葉山さんお粥作れるの?」

「まさか」

「…、」

「でも何かしたいんだ。試すくらいはさせて」

「ありがとう」

「いえいえ。これでも1人暮らし歴は長いですから」

「……期待してます」

「嘘つけ」

「…、」

「熱は計った?」

「うん。朝は37.6℃だった」

「平熱は?」

「そこまで低くないよ。だから微熱」

「そっか。良かった」

「体が怠いだけで咳もないし、寝てれば治るんじゃないかな」

「頭痛とかは?」

「……少し」

「吐き気は?」

「……たまに」

「………………ねえ、」

「…はい」

「それ大丈夫って言わないから」

「でもちょっとだからだいじょう、」

「りぃ。お願いだから我慢しないで。俺を頼ってよ」

「…えー」

「ノロだったらどうするんだよ。りぃが俺を頼ってくれないなら病院に連れて行くけど?」

「病院に行くほどじゃないってば」

「じゃあどこが辛い?どうして欲しい?」

「…頭、痛い」

「薬飲んだ?そもそも薬持ってるの?ないなら買ってくるけど」

「………って、」

「ごめん、もう1回」

「…………………黙って」

「、」

「耳元で話されると声が頭に響いてぐわんぐわんする」

「わ、ごめん」

「…、」

「えーっと、お粥、……作ってきます」

「うん。ありがとう」



『微熱と嘘と甘い火遊び』



「…、」

「……………どう?」

「……うん、…………美味しいです」

「ちょっと貸して」

「え、待っ、」

「うわ、……不味い」

「味がちょっと薄いだけだよ」

「ごめん。りぃが悪化したら俺のせいだ」

「別にいいよ。………嬉しかったから」

「、」


葉山さんが自炊を始めるきっかけのお話。


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