キスと嘘と甘い火遊び

寝不足と嘘と甘い火遊び /読者40,000人様感謝*記念

「ふぁ…、」

「葉山さん、寝不足ですか?」

「あ、いや、そんなことはないよ。元から朝が弱い方なんだ」

「…そうなんですね。すみません、朝しか会う時間なくて」

「え、違う違う!」

「え?」

「俺はりぃに会えるならたとえ深夜だって仕事中だってすっ飛んでくるよ」

「…、」

「りぃこそ朝大丈夫なの?最近夜は遅くまで仕事してるって話だったけど」

「はい。新人研修の講師班に入ったので少しばたばたしてますね。研修期間の二週間だけですが」

「そっか。無理してない?」


「大丈夫です。……葉山さんに会うと頑張れるので」


「(……寝不足のせいか幻聴が聞こえる)」

「…………朝、葉山さんに会うと頑張れるんです」

「え、現実?」

「…はい?」

「待って、ごめん。ちょっと冷静になろうか」

「至って冷静ですが」

「いや、それはこっちの話で…。ってそうじゃなくて、……幻聴かと思った」

「……葉山さんって意外と不思議ちゃんですよね」

「え?」

「…こっちの話です」

「はは…。ごめん、ちょっとはしゃいだ」

「…、」

「嬉しくて、さ」

「…ずるい」

「俺が?」

「うん」



『寝不足と嘘と甘い火遊び』



「、…りぃ!今、うんって言った!?」

「………言いましたけど」

「りぃの敬語が消えた…。嬉しすぎてもう幻聴でもなんでもいいや」

「(……気にしてたんだ)」



りぃに会う時間を作るために仕事を詰め込みすぎて寝不足だと言わないのは葉山さんの強がりって話。



0
  • しおりをはさむ
  • 56
  • 1269
/ 41ページ
このページを編集する