【完】歪愛

⑥共依存 /変わったこと

頭を撫でる手の感触で、私は目を覚ました。
目を開けると、成瀬が満面の笑みでわたしの頭を撫で回していた。

「おはよう」

「うん、おはよう」

とりあえず挨拶をしたけれど、それ以外に特に言葉は交わさず、私はされるがままに頭を撫でられていた。
心地よくて、また寝そうになるけれど、いつも鳴るアラームがけたたましい音を立てる。

「あ、時間…、蒼衣、仕度しないと」

「うん」

返事が返ってくるけれど、起き上がる気配はない。
今日は学校に行かなきゃいけないから、手を離してほしいし、首輪も外さないと。

「蒼衣」

「チッ…、分かった」

舌打ちしながら、しぶしぶと成瀬は起き上がると、ベッド横の引き出しから鍵を取り出す。
ガチャリと首輪が落ちる。
少し名残惜しいけれど、学校に行くためには仕方のないことだ。

私はサッと落ちている下着を身につけると、当たり前のように仕舞われている私の制服を取り出した。

「はぁ、花絵には余韻とかないわけ?」

「余韻?」

「ドライだよね、そういうとこ。寂しいんだけど」

「蒼衣が寂しいの?」

「…、何笑ってんの?」

知らぬ間ににやけてしまっていたらしい。

「昨日の私も寂しかったの。おあいこ」

「…、ねぇ、俺も学校休むから花絵も休もう?」

「却下」


何言ってるの?という目線を送りつつも、私は朝ご飯の支度をしに、キッチンへ向かった。




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