【完】歪愛

SS ① /花絵視点


「蒼衣に嫌われた?」

ありえない、という顔をする相田くんに向かって私は力強く頷いた。
家を飛び出した私は、無理やり相田くんを呼び出していた。

「くっつくと嫌がられるし、一緒にいてもあまり笑ってくれないし、首輪もつけてくれないし、しようて言ってもしてくれないし…」

「ん?いやいや、後半まずくない!?どんなプレイしてるの、君たち…」

「前は私は嫌がっても無理やりするくらい、私のこと好きだった…、と思うんだけどね…、飽きちゃったのかなぁ」

じわっと視界が滲む。
自分で言いながら、改めて捨てられてしまったのだと思う。

「いやさ、たぶん思い違いだと思うよ?ほら」

相田くんが自分の携帯を私の目の前に差し出した。
蒼衣から着信が来ているようだった。

「出てみるね」

相田くんが”応答”をタップした瞬間、焦った蒼依の声が聞こえてきた。

「はいはい。俺といるから大丈夫だって。いや、どこにいるかは北山さんに確認取らないと教えられないって。はいはい、せいぜい頑張ってね」

相田くんはテキトーにあしらうと、電話を切った。

「聞こえてたでしょ?あいつなりに結構探してるみたいだよ?帰ってあげたら?」

「…、怖い」

「蒼衣に会うのが?」

私はうなずく。
一応、探してはくれているけれど、このまま捨てられちゃうかもしれない。
っていうか、相田くんに押し付けるつもりなんじゃないかな…



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