【完】歪愛

⑤緊縛 /side 成瀬蒼衣


横でスヤスヤと眠る花絵を見る。
バイトをしていたとは驚きだった。
学費のため、ね。
どんな家庭で生きてきたのかは知らないけど、それがこの幸薄い感じのコイツを作り上げたんだろう。
そう考えると、まぁ、悪くもない。

でもまぁ、そんなに稼ぎたいなら、学生が集まるファミレスじゃなくても、よくない?
しかもあいつ、多分、年上好きだと思う。
サカキといい、あの裏が激しそうな大学生といい…、放し飼いをしたら、男という男を引き連れてきそう。

やっぱり、今週末、犬用の首輪を買うべきか。



あんなに怯えた顔をしているのに、寝ているときだけは年相応で可愛い顔をしている。

最近、驚くほど自分をコントロールできない。
スヤスヤと眠る花絵を殺してしまいたいけど、安心しきってしまうほど甘やかしたい。

花絵の甘い匂いと滑らかな肌の感触を思い出す。
柔らかくて、傷をつけたくないけれども、ズタズタに自分のマークを付けたくなる。
一生消えないような傷を付けてみたい。


そこまで考えて、自分の気持ち悪さに笑ってしまう。

このまま、目を覚まさなければいいのに、それでも花絵の目に移りたい。



首筋を撫でる。

こんな傷、すぐに消えてしまうから、ちょっとやそっとじゃ外れない首輪にしよう。
花絵には赤が似合う。








0
  • しおりをはさむ
  • 18
  • 7
/ 177ページ
このページを編集する