【完】歪愛

⑤緊縛 /side 成瀬蒼衣


思っていたよりも買い物が長引いてしまい、急いで帰宅した。
まさか脱走はされていないだろうけど(あの手錠、◯万円したし)、初めて花絵を家に1人にしたから、やはり不安はあった。

玄関を解錠してドアをくぐり、少し様子を伺ってみる。
物音はしない。
寝ているのだろうか?

寝室に入ると、花絵は床に転がっていた。
病気かなんかでぶっ倒れたのか!?と、焦って駆け寄り、息を確認する。

…、驚かせやがって。
スヤスヤ眠ってるだけかよ!!
割といいベッドを使っているつもりだが、床に寝ているということは何か気に入らないのだろうか?
ソファで寝たがるし…
ベッドも買わなきゃいけないかもな。


ふと花絵の手の下敷きになっているアルバムが目にとまる。
俺の母親が熱心に作り上げたアルバムだ。
これ見られたのか…
ちゃんと隠しとけばよかった。


「おい、起きろ、花絵」

声をかけてみるが、音では起きなさそう。
ため息をついてしゃがみ込み、スヤスヤ眠る花絵の鼻をつまむ。

「うっ、ごほっ!?」

鼻から息が吸えなくなり、噎せて口呼吸に切り替えた花絵が飛び起きた。

「なに!?殺す気!?」

飛び起きた花絵は目が合うと罵倒してきた。

「眠りながら死ねるなら幸せでしょ?」

「鬼畜!悪魔!このアルバムにいる大天使はどこ行っちゃったの!?」

「へぇ、やっぱり見たんだ、それ」

俺がアルバムを指差すと、面白いくらいに花絵の顔面が蒼白になった。




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