君との距離は【完】






≪一緒に勉強しない?≫



交換していたことすらも忘れていた中で突然の連絡。もしかしたらもう会う機会もない、と思っていた市原くんからのお誘いに軽い気持ちでいいよ、と返す。


毎週のようにやってくる模試。それに加えてもうすぐテスト。
理系クラスの市原くんにこの際だから分からないところを纏めて聞いてしまおう。


たまには違う場所で勉強すると捗るかもしれないし。


平日の休み時間は短いし、放課後は葉山くんと帰ることが当たり前になっているので勉強するのは模試のない休みの日になった。


たまには放課後残りなよ、と言われたけれど私は葉山くんとの時間がないと多分次の日ありえないくらいに落ち込む。そして結局勉強に手がつかない状態になるのでそれだけは譲れなかった。


明確に約束をしているわけではないから葉山くんに言えばあっさりとそっか、くらいの興味もなさそうな返答が来そうだ。そんな態度を見るのすらちょっと悲しくなるので私からそんな提案をすることも断固拒否。


葉山くんと居られる帰り道が1日の中で何よりも幸せで私が毎日頑張れる補給源。


勉強が嫌いなわけではないけれど、模試で芳しくない結果に直面しているのでそんな時は頑張ることに疲れてしまう。だからといって頑張らなければここから上がることもないから結局頑張らないといけないのだけれど。


たまに不安になる時がある。頑張っても無駄になるかもしれないこの先の結果への不安。誰もが第一志望を通れるわけではない。
大学生をやっている人たちはどんな道であれこの関門を突破するか、受け入れているわけだからすごいなあ。


早く大学生になりたいけれど大学生になるためにはこの苦しい日々を乗り越えなければならない。


……それを考えると大学生になりたくない。


現実逃避したって葉山くんは春が来れば卒業するし大学生になってしまうのだろう。


ああ、卒業してしまったら私たちは自然消滅してしまうのだろうか。きっと離れ離れになってしまう、という考えが過ってしまうのも受験が憂鬱になる原因だったり。




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