君との距離は【完】

××mm /友人Sの観察日記






このクラスにはとある有名なカップルの片割れがいる。


彼氏は身長182cmと噂のとにかく高身長。彼女の前以外では表情を崩す姿を見たことがないほど無表情でクール。そこに気怠い緩さが加わり、顔も整っているので女子の間ではかなり人気が高い。さらに学年首席の頭脳を持っているという割と何でも兼ね揃えている人。


一方で彼女は150cmの小柄さ。いつも感情が全て顔に出てしまうほど喜怒哀楽が分かりやすい。そこに小動物のような愛らしい天然さとドジなところが加わり、その小柄さに似合った可愛い顔で身近な人からはマスコットと弄られるも実は男子からの人気は高い。さらに見た目にも性格にも似合わず元テニス部部長。


ちなみに、このクラスに居るのは彼女の方。


そして、そんな苛めたくなるほど可愛い彼女と私は隣の席。



『すずちゃん、すずちゃんー!』

「どうしたの?」



隣に座る可愛い彼女、紗雪さゆきはすずちゃん、と呼んで私に泣きついて来る。正直その仕草も可愛くてこんな妹がいたら、と何度か理想を描いたことがあるほど。


しかし、本人には妹…と複雑な表情をされてしまったので、もう言わないことにした。低身長+童顔で幼く見られがちな彼女は年相応に見られることに憧れているらしい。


そんな小さなところにこだわる時点で可愛い、と撫で回したくなるのは完全に悪循環。



『ふぶきが冷たい』

『いつものことでしょ』

『励ましてほしいの!』

『元気になったら別れてくれないじゃん』

『別れたくないから頑張りたいの!うぅ…』



紗雪の席の後ろには彼女と3年間同じクラスで彼女と親友であろう美人が座っている。


親友のはずなのだが。
紗雪に揶揄いがいがある所為でいつも親友からは苛められている。


そしてそれを仲介するのが3年生になってからの私の仕事。


紗雪もふぶきも同じクラスになったことはなかったのだが、まさか学年どころか校内でも有名な2人とこんなに関わることになるとは2年生までは全く想像していなかった。


ふぶきはともかく紗雪は確実に自分が有名であることを分かっていない。そんな鈍感なところも弄りやすい。




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