私のタイプは君じゃない!

2.俺様男子の憂愁 /「俺と付き合え」






『お前、俺と付き合え』



───は?


真っ先に出そうになったその一音は声にはならなかったものの、思い切り開口したことにより間抜けな姿を晒していた。



「ごめんなさい」



慌てて口を閉じてから一瞬の思案すらもなく出て来たのは断りの返事。それ一択に尽きる。


目の前に立つ男子はネクタイの色からして先輩なので生意気な態度を取ることは失礼に値すると思い、下手したてに出ていると見えるように丁寧に頭まで下げて断りを入れた。


ちなみにネクタイの色は青が3年生、緑が2年生、赤が1年生。この先輩は青。私は緑である。




というのに。



『は?』



何だこの先輩。
「付き合え」という命令形な口調にも苛立ちが募っていたのに、こちらが断れば先程口から出そうになって我慢して抑えた言葉を迷うことなく放った。


私は、告白をされた経験はこれで2回目ですが。たったの2回目ですが!


''付き合う''という行為にはお互いの気持ちを尊重しあうことが重要であると聞いたことがある。


それなのに告白の時点で相手が年下だからか知らないが、完全に上から威圧するような態度には爆発寸前。もしこれ以上話したこともない先輩から失礼な態度を示されたら───



『俺の告白を断るなんて選択肢与えてねえんだよ』



───勿論、こっちだって黙ってはいない。



「何っでそんなに上から目線なんですか!?先輩だからって初対面の人に命令口調で話して良いと思ってるんですか?そんな意味の分からない命令に従う義理なんて全くないので!それが格好良いと思ってるなら痛いだけってことを自覚してください!そして……

二度と関わることがありませんように!」



言いたいことをとにかく言い切ってもう相手の顔を見ることもなく背中を向ける。今日は厄日なのだろうか。


もういいや、部活で全部のストレスを発散させてやる。




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