おやすみ、いい夢を

千流に触れられるのは等流を心から安心させた。その穏やかな表情も、少し低めの声も、ジャスミンの香りも等流に安らぎを感じさせた。
コズモに触れられるのも確かに等流を安心させた。しかし同時に心臓が激しく高鳴るのだ。鋭い青い目も、大きな手も、甘い声も確かに等流にとって心地よいものだったが、彼女を緊張させもした。相反する2つの感情が、コズモに触れられたときにだけ現れるのはなぜなのか等流には分からなかった。

絶対安静と言われた1ヶ月が過ぎたので、今日からまた大学に通い始めることになっていた。
コズモを部屋から追い出して、千流は念入りに等流の身体を診察する。
「うん、だいぶ回復してるな。ここは?まだ痛むか?」
鎖骨あたりについた1番色濃く残っているあざをそっと押した。特に痛みは感じなかったので等流は首を小さく横に振った。千流は安心したようにほっと息を吐くと、等流のパジャマの前のボタンを留め直し、部屋の外で待つコズモを呼んだ。コズモは心配そうに眉をひそめて部屋に入ってきた。

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