おやすみ、いい夢を

あなたに好きと言いたい /イタリアの夏

期末試験が終わりついに夏休みがやってきた。
「コズモ、パスポート持ったんだろうな?忘れたらシャレにならんぞ」
千流が心配そうにコズもにきくと、コズモはめんどくさそうに答える。
「大丈夫、持ってる持ってる。等流も持ってるか?」
コズモがそう聞くと等流はこっくりと頷いた。
「そうか。じゃあ二人とも楽しんでおいで。私は9月の頭に行く予定だから、それまで元気でな。等流、体調悪くなったらすぐコズモに言うんだぞ?」
千流はそう言うとぎゅっと等流を抱きしめ、等流の両頬に一回ずつキスをする。
「俺がついてるから心配ねえよ。じゃあ姉貴、仕事がんばれよ。9月に会おうな」
そう言うとコズモは千流を軽く抱きしめ荷物を持った。空いたほうの手で等流の肩を抱く。等流ははにかみながら小さく千流に会釈した。
「じゃあ行ってくるわ」
コズモが楽しそうにそう言うと、千流は穏やかに微笑み手を振った。等流もぎこちなく千流に手を振り返す。千流が2人を通すために玄関のドアを開けると、そこには素晴らしく晴れた青空が広がっていた。

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