おやすみ、いい夢を

助けてとは叫べない /あとひとり

「チャオ、コズモ。どうだった?いい資料見つかったか?」
「なんだよお前チャオって……」
「慣れたイタリアのことばが懐かしいかと思ってさ」
「イタリアでも、家の中の標準語は日本語だから別に懐かしいくはねえよ。で、そこの机に積み上げてあるのが資料だ」

コズモは近くのテーブルに平積みにしてある本の山を顎でしゃくった。見たところ40冊ほどありそうで、どの本も厚かった。

「なんだこの量。もう少し絞れなかったのかよ」
倫は呆れた顔で言った。
「というか、よくこの量を運んできたな」
「うるせえよ。大は小を兼ねるというだろ?」

「なはは、確かにコズモの言うとおりかもな!いっぱいあったほうがお得な感じするもんな」

武がいつの間にか来ていた。武はおっす、と人懐こい笑顔を見せながらコズモと倫にあいさつし、2人のかけている席の前列の席に座った。

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