おやすみ、いい夢を

助けてとは叫べない /静かな会話

次の朝、コズモは上機嫌で朝食の支度をしていた。
黒縁眼鏡をかけた千流が眠そうに起きてきて、テーブルに着いた。
「お、おはよう姉貴。昨日も遅かったのか?」
「いや、別に、ふつうだ。コーヒー」
千流はコズモにそういうと、コズモは千流にブラックコーヒーを出した。千流はありがとう、というとコーヒーに口をつけて、すごい勢いで新聞をめくっていく。
「相変わらずすげえ読み方だよなぁ。それほんとに内容頭に入ってるのか?」
「ああ、ふつうだ」
あっそ、と興味なさそうにいうとコズモは千流の前にトーストを置き、自分もその前にトーストとコーヒーを置いて座った。もそもそとトーストを食べる千流を見ながら、コズモはコーヒーに砂糖を2つ入れた。千流はその視線に気づいたのか、新聞から目を上げる。
「なんだ」
「なあ、姉貴、俺の髪型どう?」
「わからん。私がそういう事情に疎いのは知っているだろう」
「いつもと違うだろ?」
そういわれ、千流はコズモを改めてじっくり見た。
「・・・いつもより、つんつんしてるのか・・・?」
「かっこいい?」
「わからん」
千流はきっぱり言う。
「じゃあこの格好は?」
コズモは立って全身を千流に見せた。
「・・・・・シャツとズボンだな」
「じゃなくて!かっこいいかって聞いてるんだよ」
「だからなんで私に聞くんだ」
あきれたように千流が言った。
「今日、等流と図書館で待ち合わせなんだよ、かっこよく見せたいじゃん」
千流は珍しい動物でも見るような目つきでコズモを見た。

0
  • しおりをはさむ
  • 435
  • 65
/ 233ページ
このページを編集する