失恋美容室 ~貴女は誰に髪を切ってもらう?~

プロローグ

「ただいまー。」


自宅に帰ると、玄関には明らかに男性物の靴が
並べられている。

またか・・・。

と内心思いながら家に上がると、お母さんが
嬉しそうに出迎えてくれた。


「お帰りっ。
今日もみんな来てるわよ。」

「・・・はぁ。」


ルンルンと効果音でもつきそうなお母さんに
対して、私はため息しか出ない。

何でよりによって今日も居るんだ!

って思ったところで意味なし。
お母さんは私の味方ではなく、"あちら"の味方だ。

満面の笑みのお母さんに見送られながら
自分の部屋へと続く階段を上がる。

二階に着いた時点で騒がしい声がした。

本来なら私が帰って来るまで誰も居るはずの
ない自分の部屋。

ぐっとノブを回して勢いよくドアを開けた。

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