失恋美容室 ~貴女は誰に髪を切ってもらう?~

紅太に切ってもらう

翌日、指定された時間に美容院へ向かうと・・・


「紬っ!」


ワンコですか?ってくらいの笑顔を振り撒いて
紅太がお店の前で待っていた。

恥ずかしいけど、その顔があんまりにも嬉しそう
だから不覚にもちょっとときめいてしまう。


「何もお店の前で待ってなくてもいいのに。」

「だっていつ来るのかなって、ソワソワして
落ち着かなかったからさ。」


可愛げのない私の台詞に対して紅太は
私の手を掴んで、早く早くってお店の中へと
引き入れる。

然り気無く握られた手。

小さい頃はよくみんなで繋いでいたりしたけど
年齢が上がるにつれ、そういうことは無くなって
いった。

久しぶりの感触に戸惑っているのは私だけ
らしく、紅太は相変わらずニコニコしている。

この素直さと明るさはある意味羨ましい。

こうゆう素直さがあったなら、私ももうちょっと
先輩にアピールできたのにな・・・なんて
そんなことを思った。

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