もう、妹だなんて思えない。【完】

記憶の扉

「・・・・・え?」


突然、告げられたその言葉に頭がついていかない。

───まさか。
そんなわけないよね。

例え話だと思いたいのに、はる兄の射抜くような
その真剣な瞳が私をジリジリと追い詰める。


「血が繋がってないって・・・嘘だよね?」

「嘘じゃない。」


ドクンッと心臓が大きく跳ねた。

まるで全身が脈を打っているように、体が膠着して
動けない。

ドクンドクンドクン。
自分の鼓動がやけに大きく響いて聞こえた。

───嘘じゃないだ。
本当のこと・・・なんだ。

そんな重大なことすら忘れていたなんて。
もしかしたら私は忘れたかったの───?

あまりの衝撃に、まだどこかで信じきれずにいる
私にはる兄はポツリと呟いた。


「・・・血が繋がってなければいいのか?」


それはとても苦しげな声。

その声と同じく苦しそうに顔を歪めたはる兄は
突然、私に覆い被さってきた。

私の手首をおさえて、上から見下ろすはる兄は
いつもの優しいはる兄じゃない。

───お兄ちゃんじゃない。


「血が繋がってなければ、真弥は俺を恋人として
受け入れるのか?」

「はる兄・・・・・?」

「俺は真弥の"お兄ちゃん"にはなれない。」


そう言い放ったはる兄は、強引に私の唇を奪った。

  • しおりをはさむ
  • 100
  • 1535
/ 110ページ
このページを編集する