もう、妹だなんて思えない。【完】

寂しい部屋

相変わらず過保護なお兄ちゃん達に囲まれた
生活は続いている。

やっと一人で留守番を許してくれるようになって
次は一人で外へ行くことを許してもらうようにと
思っているけど、なかなか上手くいかない。

退院早々、家出をしているから、そこは確かに
私も強く言えないところではあるけど。

それでも、退院してからもう一ヶ月以上経って
いつまでもこのままと言うわけにはいかないと
思った。

───以前と同じ生活を送れば、記憶も戻るかも
しれない。

そう考えた私は大学復帰を目指して勉強を始めた。

もともと日常的な記憶は欠落していなかったのも
あって、始めてしまえば徐々に感覚を取り戻す。

まだ曖昧な記憶もあるけど、大学の友達のことは
ちゃんと覚えていたから、久しぶりに連絡を
してみたり。

そして、急に会いたくなってしまった私は
一番仲が良かった友達を家に呼ぶことにした───。






「真弥!よかった。
元気そうで安心したよ。」


家に入るなり飛び付いてきたのは、中学高校・大学
と同じ所に通っている純(じゅん)。

昔からとにかく明るくて、一緒に居ると
こっちまで楽しくなるような女の子だ。

記憶の中と変わらない純にとても安心する。


「心配かけてごめんね。」

「ほんとだよ!
面会出来ないって聞いた時は心臓止まるかと
思ったんだから。」


純は私が入院している時、何回か病院に来てくれて
いたらしい。

だけど記憶が抜け落ちている部分があったから
両親が面会を断っていたようだ。

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