指先からロマンチカ【完】

指先からロマンチカ /touch.15




ミツくんと話をした後、本当にアイスを大量に買ってきてくれた谷さんとお喋りをした。




「夏休み、何か予定ある?」


「ミツくんと遊びます」




夏休みの予定を聞いてくれる谷さんに、ミツくんとの予定を話す。



プールに、夏祭りに、ショッピングに、と指を折りながら話すあたしに頷いてくれる谷さん。




時々、あたしの話に目を伏せて笑う谷さんの表情にドキっとした。




今更だけど、リビングで2人きりは恥ずかしい、という謎な感情に心臓は大忙しだった。



そんな感情を誤魔化すようにアイスを黙々と食べる。



テーブルを挟んであたしの正面に座る谷さんが、そうだと鞄を漁って何かを取り出した。




「プールに行きたいって話をしてるなら、丁度良かった」




不意に谷さんが嬉しそうに、あげるね、と何かを渡してきて。




反射で受け取ってしまったそれを見れば、それはミツくんの行きたがっていたプールの招待券で。




「え、これどうしたんですか?」


「冬真さんがくれたんだよね」




自分でも分かるほど目を輝かせるあたしに、谷さんもニコニコと笑っていて。




「どうやって和葉ちゃんを誘おうか悩んでたから、よかった」




相変わらずストレートにぶつけてくる谷さんに、頭を抱えてしまった。




「どうしたの?」


「…気にしないで下さい」




あたしの行動に怯えながらも、心配してくれる優しい谷さんに何でもないと首を振る。



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