指先からロマンチカ【完】

指先からロマンチカ /touch.18




文化祭当日。



ソワソワしながらも、目的地まで歩く。




「和葉ちゃん、たまには可愛くスカート履いてよ!」


「たまには、とは」




何故か頬を膨らませたミツくんにおねだりされたから、1時間も悩んで結局スカートを履いてしまった。



あたしがミツくんに甘いの血筋じゃない?



もし男の子だったら、お兄ちゃんと趣味丸かぶりな気がするもん。


そんな事を考えていれば、同じように文化祭に向かってる人が居て。




楽しみだとか、誰に会えるかな、とかとっても楽しそうにお喋りしてる女の子達。



あの子可愛いな、あの人美人さん、とか女の子を見て癒やされていればいつの間にか高校前まで辿り着いていて。




「えっと」




携帯を取り出して連絡を確認すれば、ミツくんから連絡が入っている。



指先を動かして内容を確認して、項垂れた。



─純圭、もう校門行ったよ



ミツくんが良かった!



あんなイケメン隣に連れて歩く勇気ないんだけど?!



もうこれは帰るしかないと、踵を返そうとした瞬間。




「和葉ちゃん!」




物凄く聞き覚えのある声が、あたしの名前を呼ぶから逃げられなくなってしまう。



渋々振り返れば、笑顔の谷さんがそこにいて。




「おはよう」




キラッキラの笑顔で挨拶をされて、思わず両手で目を覆った。




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