指先からロマンチカ【完】

指先からロマンチカ /touch.05




谷さんと連絡先を交換して、早一週間。



青い鳥に忙しいあたしの返信は遅いのに、谷さんは返信を催促する事なんてなくて。



お兄ちゃんに優しい人だと零せば、




「純圭の奴、返事返してくれるだけで嬉しいって言ってたぞ」



なんて物凄く嫌そうに言われてしまった。




「ブスなんだから、身の程を弁えろよ」




終いには溜め息まで吐き出されて、イラッとしたけど確かにイケメンを振ってしまった愚かなブスなので、そこはグッと堪えた。



谷さんに対して申し訳なさ過ぎて、出来るだけ返事を早く返そうと誓った今日この頃。




夏に近付く5月末は驚く程暑くて、ダラダラと帰り道を歩く。



帰りながら、いつも通り青い鳥を見ていれば、ピコンと音を鳴らして表示される通知。



谷純圭さんからのメッセージ、の文字に青い鳥を閉じてアプリを開く。




一番上にある谷さんのトークを開けば、




─明日、家にお邪魔すると思うけど、お菓子は何が好き?




なんて。




明日来るんだ、なんて呑気に考えて。



最近ハマっているフィナンシェを思い浮かべて、ハッとした。




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