永遠回帰

永遠回帰 /第七章 姿なき支配者

カーテンの隙間から差し込む日差しで、加奈は目が覚めた。

目を開けると、いつも天井に見えているはずの電気が見当たらず、加奈は慌てて体を起こした。

なぜリビングで寝ているのか、一瞬とまどったが、すぐ横で寝息を立てている智也を見て、加奈は昨夜のできごとを思い出していた。

悪い夢を見ていただけだと思いたかった。

加奈は恐る恐る寝室へと向かう。

乱れたベッドが、昨夜の情事を物語っているようで、加奈は思わず目をそむけた。

加奈はそっと手を伸ばす。

冷たく湿った感触に加奈はうな垂れた。

昨日の出来事が、全て本当に起きたことだと思い知らされた瞬間だった。

枕もとに、短い黒髪が落ちていた。

加奈の髪の毛は、栗毛色。

しかも長い。

「これって……誰の……?」

口に出した直後、おぞましい光景が加奈の頭の中でビジョン化された。

「きっと智也さんのだ。昨日、ベッドの様子を見てくれた時に落ちたに違いない」

加奈は自分自身に言い聞かせるようにそう言った。

そう思いこまなければ、気がおかしくなってしまいそうだった。

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