永遠回帰

永遠回帰 /第三章 生死を問わず

加奈は智也と同じ電車に乗って、小樽を後にした。

「あ、私、次の駅で降ります」

加奈は車内に流れるアナウンスに注意を向けながらも、智也との会話にすっかり夢中になっていた。

ひとりきりの乗車時間はとてつもなく長く感じられる。

同時に、窓越しに見える海が怖くてたまらなかった。

今は、隣に智也がいると思うと、加奈は安心して電車の揺れに身を委ねることができた。

「家までお送りしましょうか?」

「大丈夫です。さっき大学の友達からメールが入って、もうすぐ駅に着くみたいなんです。駅で彼女を待って、一緒に家に帰ります」

時刻は4時を回ろうとしていた。

いくら日が落ちるのが早いといっても、まだ外は薄明るい。

「本当に送らなくていいんですか?」

「色々とありがとうございます」

加奈は笑顔で席を立った。

電車が失速していく。

ホームに到着した電車は、ゆっくりと動きを止めた。

智也に頭を下げた加奈は、乗車口へと足早に進む。

電車を降りると、窓ガラス越しに智也に手を振った。

扉が閉まり、再び電車は動き出す。

智也も笑顔で手を振っている。

その電車を、加奈は見えなくなるまで見送った。

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