夜天使 Ⅴ【完】

*第十六章* /明良の過去

「戻ったほうが良さそうだ」


電話を終えた明良は、優しく私の頬に触れた。


「どうして?」


冷たくて心地いい手のひらが私の頬を包み込む。


「夜天使が心配してる」


--‥そおちゃんが?


私の表情が曇ったのを、明良は見逃さなかった。


「夜天使とも何かあったのか?」


「ううん‥何もない」


本当に何もない。


ただ全てが完璧で、どんなにヒドい態度を見せても包み込むような優しさを見せる そおちゃんに、私が勝手に黒い感情を膨らましているだけ。

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