舞蝶 1 -完-

第四章 /悲しい誕生日

随分眠っていたような気がする。


優しい、温もりの中で。


「んっ…」


眩しさに目を開くと、見覚えのある家具が視界に入る。


「ここ…」


私の部屋だ。


寝慣れたベットの感触に、首を傾げる。


「私…どうしたんだっけ?」


廉二さんと亨が会って…。


「っ…」


ズキンと頭が疼く。


2人の冷たい瞳と声を思い出して、身体が震えた。


怪我してないよね…?


身体を起こそうとして、


「動くな、まだ早い」

「えっ!?」


少しだけしゃがれた声が、その動きを止めた。


「……」


えっ?ちょっと待って…。


この声。


私の身体に回されたこの腕。


これって―…っ。

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