舞蝶 1 -完-

第一章 /廉二‐side-

「あの女を調べろ」

「はい?若…今、何て…」

「調べろ」

「…はい」


立ち寄ったガソリンスタンド。


そこで休む事を知らないように働く、小さな女。


「可愛い子ですね」


付き人の輝樹がそう言って、穏やかに目を細めた。


「……」


確かに、可愛いと言われる部類だろう。


だが、俺には―1人の女にしか見えない。


大きな瞳は長いまつ毛に縁どられ、瞳を伏せる度に色気を感じさせる。


真っ白い肌は、触れば吸い付いてしまいそうだ。


小柄で、元気良く走り回る女。


それでいて、時折見せる儚さ。


例えれば―蝶。


真っ白い、蝶。

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