舞蝶 1 -完-

第二章 /迷子

「えっ!?ヤクザの家にお世話になる!?」


次の日、バイトが始まる前に、桜さんに全てを話した。


廉二さんの傍に居て、何もする必要はないと言われても…そういう訳にはいかない。


少しずつ、本当に微々たるお金でも返して行こうと思うんだ。


「3千万、やっぱり無理でした…桜さんの言い付け守れなくてバイト行っちゃって、結局、廉二さんに助けられて…」


怒られる覚悟で話したのに。


「そっか…美緒ちゃん、よく頑張ったね」


にっこりと、嘘を吐いた私を咎める事なく、頭を撫でてくれる桜さん。


“頑張ったね”


その言葉が、温かくて優しくて…涙を誘う。


「でも!何かあったら言ってね!ヤクザだろうが、ヤンキーだろうが、美緒ちゃんを傷つける奴は許さないから!!」

「桜さんっ!」


ひしっと抱き締めあう私達を、店長は見てはいけないものを見るような目で見ていた。

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