舞蝶 1 -完-

第二章 /廉二-side-

美緒が俺の傍にいると決めた、次の日。


やめたくないと言うバイトに送り出した時点で、嫌な予感はしていた。


終わったら迎えに行くと言っていたのも関わらず、美緒は姿を消した。


“今日は寄る所があるので自分で帰ります”


たった一通のメールを残して。


その日に限って仕事が立て込み、バイト終わりの時間には間に合わないが“そこを動くな”と返信した。


が、元々、携帯の利用価値を知らない美緒は、連絡を一方通行に済ませた気でいるようだった。


「あいつ、何処行った…っ」


スタンドに美緒の姿がない事に唖然とした。


他の女なら、外出くらいで気を荒立てる事はない。


だが、あいつは俺の…凌誠会の次期組長が囲っている女だ。


それがどういう事か、あいつは分かっていない。


「くそっ!」


役に立たない携帯を路上に投げつける。


ガシャンと音を立てて、携帯が真っ二つに折れた。

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