気ままな猫が溺愛中【完】

聞きました。

もう夏休みも残り数日となった時、冬也先輩から電話がかかってきた。丁度バイトが終わったところで、電話に出る。


「もしもし、小春ちゃん?いきなりごめんね。急なんだけど、明日空いてる?」


「もしもし。明日?空いてるよ?」


確かにいきなりだけど、明日はバイトもないし、他の予定も入ってないから丁度空いている。そう思って答えると、


「よかった~。あ、明日ね、夏樹の誕生日なんだよ。」


…え!夏樹先輩の誕生日!?


「は、初耳だよ。あ、でもそう言われてみれば、夏樹先輩って名前に夏が入ってるね。夏に生まれたから夏樹なのかな?」


「さぁ。その辺は知らないけどね~。でも覚えやすいよね。夏に生まれたから夏樹なんて。俺らもそれで覚えてたんだけど、日を忘れてたんだよね~。夏樹から電話きたんだよ、さっき。それで思い出した。」


あははは~と笑いながら冬也先輩は言うが、要は、誕生日は夏ってこと以外忘れてたんだね?そして、夏樹先輩本人から祝えよ電話がきて思い出したんだね?


…夏樹先輩、不憫だなぁと苦笑が漏れる。


「あ、っていうことは、お祝いするってこと?」


そう聞くと、


「そうだよ~。祝えってうるさいからね~。夏樹の家でやるんだけど、来れそう?ちなみに夕飯にご飯とケーキ食べるだけだけど。」


もう少し祝う気持ち出していこうよ…。そう思いながらも、これが三人らしい祝い方なんだろうなぁと変に納得してしまう。


「大丈夫。行けるよ。あ、私何か作って行こうか?」


せっかくの誕生日だし、何でも作るよ!と言うと、


「あ~それだったら、もう夏樹の家で直接作った方がいいかな。持って来るの大変でしょ?それに、材料代は俺らが出すし~。」


そう返してきた。確かに、この暑さだと持って行くのは大変かな。それに腐っちゃうといけないし。


「じゃあ私、早めに行くよ!」


もう夏樹先輩の家まで一人で行けるしね!


そう張り切って言うと、


「いや、夏樹を迎えに行かせるから小春ちゃんは待ってて∼。」


まさかの主役を迎えに来させる感じですか。さすがにそれは可哀そうじゃ…。


「あの、大丈夫だよ?私、夏樹先輩の家への行き方覚えてるし。さすがに主役に迎えに来てもらうのは…。」


いくらなんでも良心が痛むよ…。


「そんなの気にしなくていいよ~。どうせ夏樹暇だろうし、料理作ってくれるなら喜んで迎えに行くと思うよ。あ、何時ぐらいに行く?」


「あ、じゃあケーキも作りたいから、15時ぐらいかな?」


そう言うと、


「じゃあ14時半ぐらいに迎えに行くから待っててね~。じゃあね~。」


と言って切れてしまった。


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