気ままな猫が溺愛中【完】

帰ってきました。

朝、学校に行く前に、軽くチークを頬に塗る。そして、少し手間取りながらもビューラーを使ってまつ毛をカールさせる。


…これだけでも変わるなぁ。


今まで化粧なんてしてこなかったから、少しするだけでも変わってみえる。夏、浴衣着た時は母の物を借りてチークを塗ったりしたけど、まつ毛をカールさせるだけで、目が少しはっきりとした気がするから不思議だ。


そして、いつもは閉めている第一ボタンを開けて、スカートも折ってみる。膝が見える程度までにしておく。これ以上はやっぱり恥ずかしい。


よし!と気合を入れて、学校に向かう。


水やりをして、教室に向かう。


まだ由香は来ていなくて、時間が経つにつれて教室内は騒がしくなってくる。


…なんだか、視線が痛い。


みんなに見られているような気がして、いたたまれなくなってくる。


…どこかおかしいのかな。はっ!チーク塗りすぎた!?


慌てて鏡を見るが、うっすらといつもより頬が染まっているだけで、特に濃くはないと思われる。


…何か変なら言って欲しい。


慣れないことをしてきた身としては、自信なんてないのだ。


…せっかく由香に教えてもらったのに。


そう思うと、居ても立っても居られず、近くにいたクラスメイトの男子生徒の制服を引っ張る。 


こっちを振り向き、驚いて固まるのを気にも留めず、


「あの、私、どこか変かな?」


内心焦りながらそう聞く。


由香が来る前に、ちゃんとしなきゃ…!


その思いでいっぱいで、聞いた人のことはあまり気にしてなかった。


「あの…。」


全然答えてくれない。え、クラスメイトだけど、私のこと知らない…?それはそれでショックだ。


「あの、私同じクラスなんだけど、西沢小春っていうの。いきなりごめんね?私、何か変かな?」


とりあえず自己紹介をして、再度聞くが、反応もしてくれない。


「ちょ、おい!固まってんなよ!反応しろ!」


横のお友達らしき人が焦りながらその人を叩く。


「あ、あぁ、いや、全然、おかしくねぇし、むしろ、可愛いです。」


だんだんと小さくなっていく声で、そう言われる。


可愛い…。言われたことに照れてしまい、顔が熱くなる。

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