気ままな猫が溺愛中【完】

願いました。



大晦日、大掃除も終わって家でぬくぬくと過ごしていた。


母は昨日に忘年会があって、まだ寝ている。昨日の夜遅く、母が酔っぱらいすぎて、会社の人が送ってきてくれた。名前だけ聞いて、お礼を述べると頭を撫でられて、はっとして謝られたけれど。


これってセクハラになるのかな?って眉を下げて聞かれるから笑ってしまった。母を送ってきてくれた恩人に、そんなこと言うはずないのに。


でも優しそうな人だったなぁと思い出しながら、あの後布団まで母を運んでさっさと帰って行った人を思い浮かべる。


起きてきたら母に伝えないと。


そう思いながら、やることもなくてだらだらしていると、携帯が鳴り響く。


「…夏樹先輩だぁ。」


だらーんと携帯を開いて出る。


「もしもし。小春だよ。」


とことんだらけている私が馬鹿みたいな言葉とともに出ると、


「…おぉ。何だ、だらけてんのか?」


一瞬で見抜かれる。


「うーん。することないの。」


そう言うと、


「じゃあ丁度良かったな。初日の出見に行くぞ!今日の夜!」


突然のお出掛けに誘われる。


「私、初日の出見たことない!行く!」


一気に気分が上がってきて、ソファに寝転んだままだった体を起き上がらせた。


「…あ、えっと、秋人に言わないと。」


と言うと、


「大丈夫だ。秋人も良くから。ちなみに冬也も。」


安心しろ、と続けられた言葉にほっとする。


「まぁまだ言ってないんだけどな!」


じゃあ起きとけよ!と言って切られてしまった。


…今、信じがたい言葉が聞こえた気がする。


釈然としないまま、携帯を閉じて座りなおした。


夏樹先輩と二人で出掛けるなんてことになったら、また秋人に嫌な気持ちを抱かせることになる。それは、避けたい。やっぱり秋人が嫌だと思うことはしたくない。


…やきもち焼かれるのは少し嬉しかったりするけどね。


ふふふとクッションに顔を埋めてると、再び携帯が鳴る。


見ると、秋人からだった。


「もしもし?」


電話に出ると、


「もしもし。小春だよ、は言わないの?」


からかうように言われた。


…夏樹先輩のおしゃべり!


そう思いながら、


「…小春だよ。」


言ってあげた。すると、


「…かわい。」


電話越しに甘く言われて、顔が熱くなる。


0
  • しおりをはさむ
  • 765
  • 866
/ 370ページ
このページを編集する