気ままな猫が溺愛中【完】



…俺を呼ぶ声がして、はっと飛び起きた。


「あ、起きた。夏樹先輩、珍しいね。そんなに寝てるの。」


いつも通りの小春が目の前にいて、頭が混乱する。


「…小春、お前元に戻ったのか?」


思わずそう聞くと、


「…?夏樹先輩、夢でも見たの?」


不思議そうにそう返された。


それにより、はっとする。


…夢だったのか。


そりゃそうか。ありえねぇな、小さくなるなんざ。


そう考え、思い出した。


そうだ、俺、今日の朝学校に来て、秋人と冬也を待ちながらソファで寝転んでたら寝ちまったんだ。


小春がいるってことは、もう昼か。俺どんだけ寝てたんだよ。昨日蚊がいて眠れなかったからだな、きっと。


一人で納得していると、


「ねぇ、どんな夢見たの?」


そう興味津々で聞いてくる小春に、手を伸ばして頭を撫でてやる。


「…やっぱこの方がいいわ。」


小さくなられたら、俺ら学校そっちのけで小春のお守りしてそうだし。


不思議そうな小春を見て、苦笑しながらも、でもできるならもう一度だけ、あの愛らしすぎる存在を抱き締めたかったなぁと叶わぬ思いを抱いたのだった。



しかし、その願いは数年後叶うことになるのだが、まだ今の夏樹は知らない話であるため、それはまた後ほどに…。

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