生贄x



ちょっとゾッとするようなホラーな光景にも思えるけれど不思議と怖くはなかった。


「なんか意味合い違うか?」


興味がないことと、聞きたくないこと。似ているようで全く違いますよ獄さん。


「……私のことも獄さんたちは聞かないじゃないですか。」

「あー………なるほど。」


察したような声音を聞いてしまったのも嫌になる。

それはつまり、私と似たような事を獄さんも感じているという事だ。


「でも俺の場合聞きたくねえんじゃねえよ。」

「…?」

「お前が聞かれたくなさそうだからだ。」

「……」

「まあでも、確かに興味は特にねえんだがな。聞いたところで変わるわけねえし。」

「はい…。」

「そう簡単に変えられねえよな…」

「…はい。」


その時、向こうから閃光が走ってきた。カンカンカンと田舎の静かな空気を震わせて電車が向かってくる。

爆音と言ってもいいその音に掻き消された声を私は知らなくてよかった。


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  • 1994
  • 22229
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