生贄x

神の章 /懺悔



バタン、と閉まった教会の扉の音は反響して耳にずっと残るように響いてきた。

思わず何歩か前に踏み出して手を伸ばしかける自分には呆れてしまう。


「ラック……」


どうして私ばかりが彼の背を追いかけているんだろう。どうして私ばっかり……


「好きなのか?」


背後から聞こえた言葉には無意識のまま肩を上げてしまった。

その瞬間、頭が重たくなって獄さんの腕が乗せられているんだとわかる。


「そんなんじゃ、…ありませんよ。好きとか嫌いとかなんかもうわかんなくって……」

「……」

「ただいつも、……いつも、隣に居た人だから。」

「……」

「私なんかに、会いに来てくれる人だから。」


昔からずっと、ずっと……私はラックを待って、そして追いかけるようになった。

でも追いかければ拒絶されて、拒絶するのにやっぱり会いに来てくれる。


「大好きで大嫌いなんだと思います。」


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  • 1994
  • 22109
/ 325ページ
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