生贄x



見上げると獄さんが私を覗き込んでいたからヘラリと笑ってみせた。

すると彼は何を思ったのか、上から顔を寄せてきて触れるだけの口づけを私に落とす。

柔らかい感触と仄かに香るのは私が毎日洗濯している洗剤の香り。

一瞬、何をされたのかよくわからなくて目をパチクリしていると獄さんは再び私を覗き込んできて


「これは誓いだ。」

「え…」

「俺はお前を殺さない」

「…」

「そしてこれは多分、俺の懺悔だ。」


獄さんは言いながら私から半歩離れて顔を上げる。

私も振り返って彼が傾いた十字架を見つめる背を視界に入れた。

すると獄さんは私にまたゆっくりと振り返り、片手を差し伸べてきたからキョトンとしてしまう。

手を繋げって事でしょうか?

おもむろに伸ばそうとした自分の片手だったが、獄さんの掌が燃えた事でギョッと飛び跳ねて引っ込めてしまった。

え?!えええ?!いや、マジで!!ほんと言葉通り燃えてるんですけど?!?!!

えええええええ?!?!!!嘘嘘嘘!!!?どうなってんの?!?!


「し、し、消化!!消化器!!!!」


0
  • しおりをはさむ
  • 1994
  • 22229
/ 325ページ
このページを編集する