生贄x

神の章 /恐るべしミューさん!



それからの私の毎日は彼らの住まうマンションの一室から始まるようになった。

朝は六時半に起きて朝食の支度をし、八時頃にみんなを起こしていく。

みんなと言っても一人だけなのだけど。

包丁を片手に深呼吸を一度して、ノックもなくそっと入った部屋はカーテンが閉められて薄暗い。

ベットに近寄ると艶やかな黒髪の彼、獄(ヒトヤ)さんが枕に顔を埋めて布団にくるまって眠っている。

布団にくるまっているくせに足だけは飛び出していて寒そうだ。

モゾモゾしながら足を擦って眠っている獄さんは寝相が悪いものの、寝顔は子供みたいである。

そんな彼のそばに近寄って包丁を握り閉めてから


「あのー……朝ですよー?起きてますかー?起きてくださーい。朝ごはんできましたよー?」

「んー…」

「ついでに首ください。」


声をかけながらゆっくりと手を振り上げ、そのまま振り下ろそうとした包丁は…


「ついでで首やる奴はいねえだろ」


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  • 1994
  • 22228
/ 325ページ
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