生贄x

神の章 /あなた人間ですか!?



「お夕飯できましたよーっ。」


私の一日のサイクルはほぼ同じ。朝食を作り後片付けをして、掃除洗濯お買い物。

外に出ないこの家の三人は動かないおかげで昼食をあまり摂りませんから簡易なものをサッと作って夕飯に栄養を存分に摂らせます。

でも________…


「出てきませんね……」


最近、不意に気になるのは壁と同化するように閉じられた白い扉。

ここに来た時、一度だけ開いた奥の人。坐さんの存在は本当に幽霊みたいです。


「スワりんのことが気になるの?」


夕飯のカレーを頬張っていたミューさんがフッと笑って覗き込んでくることにハッとして顔を向ける。


「ああ、いえ、その……はい。」


力無く笑ってお茶を注いだグラスを二人に置いて


「ここに住み始めてから一度も見てませんし、食事はどうしてるのかなと…」


たまに、買っていた食パンが無くなっていたりはする。でもそれだけだ。料理をした痕跡もなければ、野菜やお肉、インスタント食品も買い置きしてみてはいるものの減っていた試しがない。


「坐は俺たちの中でも一番変わってて、一番人間味のない奴だからなあ。頭はキレるが最初は言葉すら知らなかったし。」

「言葉を、知らないとは?」


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  • 1994
  • 22229
/ 325ページ
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