兄×2+妹=≠ブラッド

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春の嵐が過ぎ


夏本番前の初夏






市ノ瀬家のキッチンでは朝ご飯を作る音が響いていた。


トントントンっーーージュ――・・・



いい匂いが立ち込める中、フライパンのオムレツを器用にひっくり返す女の子。



穂花「よっ!・・・ほっ!・・・ふぅー、上手くできた!」



オムレツをひっくり返した私は『市ノ瀬 穂花(いちのせ ほのか)』


16歳、高校一年生。



毎日、3人分のご飯とお弁当を作ってる。



今朝のご飯はオムレツ、サラダ、ウインナーとパン。


盛り付けが終わり、時計を見ると


穂花「もうこんな時間!」


時計の針は『7時10分』を指していた。



穂花「お兄ちゃーん!朝だよー!」



私のお兄ちゃんは2人いる。


10歳離れてて、2人は双子。


巷では『イケメン双子』って言われてるくらいかっこいい。



穂花「シンにぃー!朝ー!」


シン「起きてるよー。」



シンにぃは茶髪でちょっとくせ毛。

背が高く、物腰が柔らかい。

みんなに優しい人だ。




穂花「そらにぃー!朝ー!」

そら「とっくに起きてるよ。」



そらにぃは黒髪のちょっとくせ毛。

背が高く、あまり笑顔にならない。

でも優しい。



穂花「朝ご飯、できてるよ!」


3人がリビングに揃い、テーブルにつく。



シン「ほの?これは何?」



シンにぃが聞いたのは失敗したオムレツ。



実は、上手くできたのは最後の一個だけ。

最初のニ個は形が・・・ね。


穂花「ちょっと上手くまとまんなくて・・・私が一つ食べるから、お兄ちゃんたちのどっちかがキレイなの食べて?」



そういうと、シンにぃとそらにぃは2人で顔を見合わせ、皿をスッスッと入れ替えた。



私の席にやってきたのはキレイなオムレツ。


穂花「え?私が失敗したんだから私が食べるよ。」

シン「穂花が成功したやつ食べな?」

そら「次に作るときの自信につなげろよ?」

穂花「・・・ありがと。」



お兄ちゃんたちは私に甘いのか優しいのかわかんないな・・・。




3人で朝ご飯を食べ始める。



3人「いただきまーす。」



シン「・・・うまっ。」

そら「うん、うまい。」




3人で暮らすようになってから数年が経つ。

父母は海外で仕事をしてる為、滅多に帰って来ない。

私はご飯係に立候補し、ずっと作ってきたから料理の腕だけは上がった。




そら「ほの、今日の学校の時間割は?」

穂花「ん?えーと1限が国語、2限が歴史、3限が美術で4限が数学、5限が体育だったかな?」



シンにぃのご飯を食べてる手がピタッと止まる。


シン「・・・体育?」

そら「見学届け書いてやるからノート出して?」

穂花「今日は陸上だから体育したいんだけど・・・。」



シン・そら「ダメ!」

穂花「・・・・・・」



私は体が弱い。

心臓にも異常があって運動はしないほうがいい。

小さい頃は入退院を繰り返したけど

最近はそれも減った。

高校も今のところ無遅刻無欠席で行けてる。



そんな私の『身体を治したい』と2人の兄は医者になった。

それも名医と呼ばれるほどに・・・。




そら「ほらノートっ、早くっ。」

穂花「はーい・・・。」


私は学校の鞄から見学希望用のノートを取り出した。

受け取ったそらにぃは『見学希望』と書き、判をつく。



そら「ちゃんと先生に出すんだぞ?」

穂花「わかってるよ。」


渡されたノートを鞄にしまう。



食べ終わった食器を洗い場に下げながら

穂花「そういえばお兄ちゃんたち、今日仕事は?」


シン「俺、日勤。」

そら「俺、夜勤。」



穂花「じゃあ、そらにぃはお弁当、家で食べてね?シンにぃは忘れずに持っていってよー。」


シン・そら「オッケー。」

そら「俺、昼からちょっと買い物行くから穂花が帰ってきたときいないかも。」

穂花「そうなの?じゃあ鍵持って行くね。」

そういいながら

3人分のお弁当を包んでいく。


シン「穂花、そろそろ行かないと遅刻するぞ?」


言われて時計を見る。


時刻は『7時50分』



穂花「やばいっ!行ってきまーす!」



シン「行ってらっしゃい。」

そら「走るなよー!」

穂花「はーい!」



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