Spiral【完】

─ 15.


翌日の昼過ぎにアパートに送ってもらった私は、珍しく家に母がいたことにギクリとした。

瞬時に、みえるところにあの紅い跡がなかったかなんてことを気にしてしまう。
そんな私に、キッチンで遅めの昼食を準備していたらしい母は微笑んだ。

「おかえり」

「あ、ただいま」

そそくさと荷物を手に、自室に飛び込む。
いつもならこんな態度をとることなどない私に、母はなにか勘づいているかもしれないが、取り繕う余裕はなかった。

まだ鈍く痛む下腹部と、ふわふわとした高揚感。
今日はバイトが休みだから、それにもう少しだけ浸っていたい。


─────

どうやら気を失ってしまったらしい私が絹みたいに滑らかなシーツの上で目を開けると、折原さんはバスローブを羽織って私の髪を撫でていた。

「大丈夫か?」


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