Spiral【完】

─ 18.


クリスマスでもある折原さんの誕生日は、16時から21時までのシフト。
例年通り、家族連れで店内はかなり混雑した。

なにも考えず、忙しくフロアを動き回れたのは幸いだった。
今日が最後。
私はそう決めていた。


あの夜。
折原さんのお母さんは、何度も何度も私に頭を下げて帰っていった。

私の携帯には折原さんからの着信履歴が数件。

“ごめんなさい。大丈夫です”

それだけメールで返信して、私はベッドに寄りかかって膝を抱えた。

“無理すんなよ”

すぐに受信した折原さんの返信。
抱えた膝に顎をのせて、目を閉じた。

もう、猶予はない。
折原さんのお母さんの話は“忠告”ではなくて“警告”だったのだから。



折原さんと休憩時間をずらして、私は店長にアルバイトを辞める意向を話した。


0
  • しおりをはさむ
  • 746
  • 10987
/ 450ページ
このページを編集する