Spiral【完】

─ 28.


折原グループとか、政略結婚とか。
後継者とか、お金だとか……。
そんなとても大きな力や思惑に突き動かされ、翻弄される運命の螺旋に自分は身を投げたのだと思っていた。

でも、違ったんだ。
ようやくわかった。

この螺旋は。
私の初恋だ。
ずっと忘れられなくて、どうしても抜け出せなくて、苦しみ続けた恋情が描いた螺旋。

これが私の運命だなんて。
折原さんとの子供を守れなかった私には、もう妊娠の可能性のない私には。
きっと“愛人”がちょうどいいのだと必死に言い訳をして。
ただ、あなたの傍にいたかっただけ。

私が溺れた恋の螺旋。


*****

「部長。こちらの書類、1階のairさんからです」

祝賀パーティーを終えて、部長はホテル内の事務所のデスクでプレオープンまでの最終作業に追われていた。


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