Spiral【完】

─ 30.


クリスマスが誕生日なんて、面倒くさいと“折原”の姓になってからは本気で思っていた。
でも、今年はイヴのパーティーさえ出席すれば、クリスマスはバイトの後に葵と過ごせる。

俺の誕生日を知らなかったことにちょっと拗ねた葵を宥めて。
それでも一緒に過ごせることが嬉しいといった様子で、機嫌をなおしたらしい彼女に俺はプレゼントを考えていた。

その翌日。
同じ時間にバイトをあがった坪井に更衣室のロッカー越しに話しかけられた。

この女には以前、告白をされたことがある。
適当にあしらって相手にしていないのだが、挑発的な物言いをする坪井は、どうやらまだ俺に気があるようだ。

「いつまで葵ちゃんで遊ぶの?」

まるで“私とも遊んで?”とでも言いたげな声音。

先のように葵になにか吹き込まれるのは面倒だ。


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