Spiral【完】

─ 35.


side A

新横浜から東京にむかう一番早い新幹線に飛び乗った。
デッキに立ったまま、裕に今日は仕事を休む旨をメールする。

今日までは、私は派遣社員だ。
送信の文字を確かめて、電源を落とす。

在来線に乗り換えて、とにかく私はマンションへ急いだ。
これからのことはなにも決めていないけれど、とにかく母の位牌と七海の写真だけは残していけない。

長期滞在だったおかげで手にしている荷物はかさばるが、このままこれも持っていこう。
着る機会があるかはわからないけれど、折原さんが私に選んでくれたスーツも入っている。

これくらいは貰ってもいいよね、なんて考えながらマンションのロックを解除してエレベーターに乗り込んだ。

部屋に入ると、長く留守にしていたおかげで室内の空気が悪い。


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