Spiral【完】

─ 7.


長かった梅雨がようやく明けた7月最後の土曜日。

螺旋を描き続ける運命に私はまた飲み込まれ、そして再び翻弄されることになった。

もう二度と交わる筈のない平行線が、螺旋の渦に引き寄せられるように、その起動を変える。
引き寄せられて、それがまた更に大きな螺旋を描き始めたことに、私は気付く由もなかった。



休日の朝から携帯電話が鳴るなんて……。
それはいつもと違う出来事がおこる合図だった。

着信は沢村主任から。
私は迷わず通話ボタンを押した。

「もしもし、おはようございます」

「おはよう。朝からごめんね」

沢村主任のハキハキした仕事モードの声が聞こえてくる。
ベッド脇の時計をみると、午前7時を指していた。

「本当に申し訳ないんだけど、休日出勤をお願いしたいの」


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