華麗な野獣と愛人契約【完】

Footprints on the sands of time are not made by sitting down. /薔薇乙女と名誉


そしてその日の夜



煌は「今日から自分の部屋で寝て、明日は学校に行く」という私の言葉を聞いて、ひどく険しい顔をした。



元気になったからもう悪い夢は見ないし
(これはあくまでも私の希望だけど)


どっちにしてもこれ以上学校は休めない。



評価に響くと言うと、


「じゃあ登下校の際は俺が送り迎えをする」


と、驚くようなことを言い出した。



「そのほうが安心だ」


って……。




安心って……

また倒れるって思われてるのかな。


それとも私が嫌がらせを受けたことに気づいた……?



まさかね。

そんなわけない。

同情なんかほしくない。

そんな優しさなんかいらない。



だけど煌にそうは言えなかった。



黙っていると、さらに煌は驚くような交換条件を出してきた。




「そのかわり、朝、俺のことを起こしてほしい」

「えっ!? 私が朝、あなたを起こすの?」

「ああ。そうだ」




そういえば朝は弱いんだっけ……。



そこまで朝に弱いんなら、やっぱり寝ていてほしいと思うんだけど……。



そうは言っても煌は絶対に譲らないだろうから、とりあえずうなずいた。




「わかりました」

「じゃあ、翌朝。準備ができたら必ず起こすんだぞ?」

「はい」




じっと私を見据える煌。




忙しい彼のことだもの。

きっとすぐに出来なくなるに違いない。

そうなるのを待とう……。





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