華麗な野獣と愛人契約【完】

Footprints on the sands of time are not made by sitting down. /キス



放課後、久乃といつもの図書準備室。


久乃に煌に自立したいと話したこと、そして、なおかつ性懲りもなく仕事を探していることを告げると



「実は、彼のご実家が経営されている楽器店があって、そこの一つのサロンがアルバイトを探しているそうなんです。よかったら安寿さん、考えてみますか?」

「えっ……! 本当に、働かせてくれるの!?」




久乃の申し出に、硬直するほど驚いた。




「ええ」




彼女は慎重にうなずく。




「安寿さん、あきらめないでずっと探されてますよね。私、こんなことを言っては失礼だけれど、そのうちあきらめてくださるって思ってたんです。

だって、薔薇乙女がアルバイトなんて……安寿さんがおかわいそうだって、思ってたんです。ごめんなさい」

「久乃……」

「だけど安寿さんは本気なんだなって……。自分の力で自分の道を切り開こうとされているんだってことに気づいたら、おかわいそうだって思った自分が恥ずかしくなりました」





久乃は言葉を選びながらじっと私を、潤んだ瞳で見つめる。





「私も何か力になりたいって思って彼に相談したら、ちょうどアルバイトを探しているって教えてくれたんです」





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